娘は自閉症スペクトラム障害と重度の知的障がいを持って産まれました。現在中学1年生で、毎日学校やデイサービスを利用しています。そんな娘は朝晩お薬を飲んでいますが、今回は処方されるお薬と効果についてお話しします。
自閉症スペクトラム障害に薬が効く?
そもそも自閉症スペクトラム障害は、事故や病気が原因で発症するものではなく、もって生まれた特性のようなものです。今の現状がノーマルな状態なので、正直私は薬を飲んでどうにかなるものなのか?と疑問はありました。
娘を出産した病院の小児精神科の医師は、自閉症スペクトラム障害は、脳の発達がしきれていない状態だと説明されました。なので、娘はこれが普通なのだなとしか思わなかったのです。
当然、娘の成長に伴って発達しきれていない脳の部分が成長するわけではありません。多少訓練などで発達を促せる可能性はあるのかもしれませんが、12年間見てきてそれほど変わったとは思えないのです。
それなのに薬を飲んで効果があるのだろうか?そう疑問に思うのも当たり前ですよね。しかし、成長に伴って自閉症スペクトラム障害の特徴が多々現れます。そんな症状を抑える働きはあるようなのです。
実際に処方されている薬
では実際に娘が処方されている薬と、処方されていないけどよく処方されるお薬を紹介します。
リスパダール(処方されている薬)
娘が処方されているのは「リスパダール」です。子どもに処方できるのは、今のところリスパダールとエビリファイだと説明を受けました。この二種類の薬は自閉症スペクトラム障害の子どもの衝動性・癇癪・他害・自傷行為を抑える働きがあります。
実はリスパダールはもともとは統合失調症の方に処方されている薬だそうです。抗精神病薬なのですね。この薬を飲むと、大声や怒る、自傷行為などを抑える作用があるそうです。ほかにも泣き叫ぶ・暴言・暴行・破壊行動・気分のムラなどにも効果があるそうです。
娘には自傷行為や癇癪そして大声などの行動が出るため、これを相談したところリスパダールが処方されました。
エビリファイ
エビリファイ(アリピプラゾール)もリスパダールと同じような効果がある薬です。リスパダールを子どもに処方する場合、1日3.0mgまでとされていますが、エビリファイはもう少し余裕があると聞いた気がします。
これも改めて先生に聞いてから追記します。エビリファイはハイテンションな状態を安定させるお薬です。また、気分のムラが多いお子さんにも処方されるみたいです。なぜ娘はリスパダールが処方されたのか?
多分、大声や自傷行為を行うからリスパダールを処方されたのだなと私は理解しています。
リスパダールとエビリファイの副作用
気になるのは副作用ですよね。処方箋や薬の説明では、リスパダールは飲むと眠気を感じやすくなるのと、食欲が増進してしまうので肥満には気を付けなければなりません。血糖値の上昇もあるようなので、尿検査を行う必要もあります。
娘は針を刺すと二度と療育センターに行かないので、尿検査で血糖値を調べていただいています。一方のエビリファイの方もリスパダールと同様で、眠気や食欲が増える副作用があるみたいです。どちらにしろ肥満には気を付けなくては!
他には副作用はありません。もちろんこれから別の副作用が出てくるかもしれないので、その都度紹介していくつもりです。
不眠のお薬も2種類あります!
自閉症スペクトラム障害のお子さんの睡眠障害で悩む保護者の方も多いと聞きます。娘も睡眠障害があってなかなか眠ってくれません。しかも眠ったかな?と思ったら夜中に目が覚めて眠れなくなることもあります。
そして問題なのは学校に行く時間になって眠ってしまう事ですね。起こしても起きやしない!何度学校に送って行ったか!往復車で1時間近くかかるので、本当に送るとなるとまあまあなドライブになります。
仕事をしている保護者の方は特に、スクールバスに乗ってくれよ!と思うかもしれませんよね。私もバスに乗れなかった日にはガッカリを通り越してしまいます。
なので、これも療育センターで相談して睡眠導入剤?を処方してもらいます。
自閉症スペクトラム障害の子どもに処方される睡眠導入剤
ここでは自閉症スペクトラム障害の子どもに処方される睡眠導入剤2種類を紹介します。
ロゼレム(処方されています)
ロゼレム(ラメルテオン)は、寝る前に飲んで眠りを誘う薬です。実はロゼレムは小児には処方できない薬だとネットには記載されていますよね。でも娘は小学生の頃からロゼレムを処方されていました。
以前はロゼレムは小児には処方できなかったのかもしれませんが、子どもの体重に合わせて処方してもらえます。そもそも娘は小児の体重ではありませんでしたので、それほど問題はなかったのかもしれません。
ちなみに小学6年生の段階で70キロはありましたので……。気になる効き目ですが、飲んだからといってもすぐに眠ってくれるわけではありません。むしろ飲んでもケロッとしている感じです。
効いているのかどうかはハッキリと判断はできない感じですが、娘が精神的に落ち着いているときや、たくさん運動して満足しているときは効いてる気がします。
メラトベル
メラトベルは子どもに処方されるお薬です。娘のように眠らないのではなく、寝つきがなんとなく悪かったり夜中に何度も目が覚めるといった症状のお子さんに処方されるようです。
こちらはロゼレムと違って6歳から処方していただけるので、小さなお子さんで寝つきが悪い場合に相談して処方してもらうといいかもしれません。ただしこの薬は15歳までしか処方されないみたいですね。
15歳を過ぎたらロゼレムに変更になるのかもしれません。
気分のムラや睡眠障害は薬である程度何とかなる!
今回は、娘の派手な行動に悩んだ私が、療育センターに相談して処方していただいたお薬についてお話ししました。すっごく効果が出て助かった!といったわけではありませんが、娘のイライラは和らいだかなと思っています。
特に言葉を発するわけではないので、イライラしてしまいがちなため、私も娘の変化を見極める力が必要です。それでも薬のおかげで娘のケガ防止ができ、穏やかに解決できるようになったので、処方してもらってよかったです。
今、お子さんの行動で悩んでいる方がいたら、ぜひ主治医の先生に相談してお薬の使用を検討してみてはいかがでしょうか。